損益分岐勝率の計算方法|取引コストとキャッシュバックを含めた式と計算例
損益分岐勝率は「1 ÷(1 + リスクリワード比)」で求められますが、実際にはスプレッドや手数料の分だけ高くなります。取引コストとキャッシュバックを含めた損益分岐勝率の式、利益幅ごとの計算例、MT4/MT5の履歴から自分の数字で計算するときの注意点を解説します。
CB-Dogs編集部約8分で読めます
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目次
「利益と損失の幅が同じなら、勝率50%で損益はトントン」──よく使われる考え方ですが、これは取引コストがゼロの場合の話です。実際には、取引のたびにスプレッドや手数料がかかるため、トントンに必要な勝率(損益分岐勝率)は50%より高くなります。
この記事では、取引コストとキャッシュバックを含めた損益分岐勝率の式を導き、利益幅ごとの計算例と、MT4/MT5の取引履歴から自分の数字で計算するときの注意点を解説します。キャッシュバックが勝率の面でどれくらい効くのかも、数字で確認していきます。
結論:損益分岐勝率で押さえたい3つのこと
- 取引コストを含めた損益分岐勝率 =(平均損失 + 1回の実質コスト)÷(平均利益 + 平均損失) です。平均利益・平均損失は、コストを引く前の値幅(金額)で考えます
- 利益幅が小さい取引ほど、コストの影響が大きくなります。スキャルピングのように数pipsを狙う取引では、損益分岐勝率が大きく上がります
- キャッシュバックは「実質コスト」を下げるので、損益分岐勝率を少し下げます。ただし、負けている取引方法を勝たせるほどの力はありません
まずは基本:コストを考えない損益分岐勝率
取引コストを考えない場合、損益分岐勝率はリスクリワード比(平均利益 ÷ 平均損失)から次のように求められます。
- 損益分岐勝率 = 1 ÷(1 + リスクリワード比)
| 利益:損失 | リスクリワード比 | 損益分岐勝率(コストなし) |
|---|---|---|
| 1:1 | 1 | 50.0% |
| 1.5:1 | 1.5 | 40.0% |
| 2:1 | 2 | 33.3% |
| 3:1 | 3 | 25.0% |
利益の幅を損失の幅より大きくすれば、低い勝率でも損益はトントンになります。ここまでは多くの解説で紹介されている内容です。問題は、この表にコストが含まれていないことです。
取引コストとキャッシュバックを含めた損益分岐勝率の式
1回の取引で、次の記号を使います。
- W:勝ったときの利益(コストを引く前の値幅を金額にしたもの)
- L:負けたときの損失(同上)
- C:1回あたりの実質コスト = スプレッド + 手数料 − キャッシュバック
- p:勝率
コストは勝っても負けてもかかるので、勝ったときの実際の利益は W − C、負けたときの実際の損失は L + C です。1回あたりの期待値は次のようになります。
- 期待値 = p ×(W − C)−(1 − p)×(L + C)= p ×(W + L)−(L + C)
期待値がゼロになる勝率が損益分岐勝率なので、
- 損益分岐勝率 =(L + C)÷(W + L)
となります。C = 0 なら L ÷(W + L)= 1 ÷(1 + W/L)となり、上の基本の式と一致します。分母はコストの影響を受けず、分子にコストがそのまま加わるのがポイントです。
W、L、C はどれもロット数に比例するため、損益分岐勝率は取引量を変えても変わりません。0.1ロットでも1ロットでも同じ結果になります。
計算例:利益幅によってコストの効き方が変わる
前提は次のとおりです(数値はすべて説明用の仮のもの)。
- EUR/USD、1ロット(1pip = 10ドル)、損切りは20pips(L = 200ドル)
- スプレッド1.6pips → 1回のコスト 1.6 × 10 = 16ドル(手数料なし)
- キャッシュバック:1ロットあたり6 USDT(USDTは米ドルとほぼ同じ価値として概算)→ 実質コスト 16 − 6 = 10ドル
例1:利益:損失 = 1:1(利確20pips・損切り20pips)
- コストなし:200 ÷ 400 = 50.0%
- コスト込み:(200 + 16)÷ 400 = 54.0%
- キャッシュバック込み:(200 + 10)÷ 400 = 52.5%
例2:利益:損失 = 2:1(利確40pips・損切り20pips)
- コストなし:200 ÷ 600 = 33.3%
- コスト込み:(200 + 16)÷ 600 = 36.0%
- キャッシュバック込み:(200 + 10)÷ 600 = 35.0%
例3:スキャルピング(利確5pips・損切り5pips)
- W = L = 50ドル
- コストなし:50 ÷ 100 = 50.0%
- コスト込み:(50 + 16)÷ 100 = 66.0%
- キャッシュバック込み:(50 + 10)÷ 100 = 60.0%
同じ16ドルのコストでも、狙う値幅が20pipsなら損益分岐勝率は4ポイント上がるだけですが、5pipsなら16ポイントも上がります。利益幅が小さい取引ほど、スプレッドとキャッシュバックの影響が大きいことがわかります。短期売買とキャッシュバックの関係はスキャルピングとキャッシュバックでも解説しています。
期待値で見ると:キャッシュバックは1回あたり還元額の分だけ上乗せされる
例1で、実際の勝率が55%だったとします。
- コスト込みの期待値:0.55 × 184 − 0.45 × 216 = 101.2 − 97.2 = +4.0ドル/回
- キャッシュバック込みの期待値:0.55 × 190 − 0.45 × 210 = 104.5 − 94.5 = +10.0ドル/回
差の6ドルは、1回あたりのキャッシュバックと同じです。キャッシュバックは勝ち負けに関係なく取引量に応じて戻るため、期待値を1回あたりの還元額の分だけ押し上げる働きをします。
一方で、実際の勝率が損益分岐勝率を大きく下回っている場合、キャッシュバックだけでプラスに変わることはありません。例1で勝率が45%なら、キャッシュバック込みでも 0.45 × 190 − 0.55 × 210 = 85.5 − 115.5 = −30.0ドル/回です。

自分の取引履歴で計算するときの注意点
MT4/MT5の取引履歴やレポートから、自分の勝率・平均利益・平均損失を出して計算することもできます。その際は次の点に注意してください。
履歴の損益には、スプレッドがすでに含まれている
MT4/MT5の損益は、実際に約定した価格(買いは高い方、売りは安い方)で計算されます。そのため、履歴の損益にはスプレッドのコストがすでに含まれています。手数料型の口座の手数料やスワップは、別の列に表示されることが多いです。
履歴の数字を使う場合は、次のように計算します。
- Wn:勝った取引の平均の実際の利益(手数料・スワップも差し引いたもの)
- Ln:負けた取引の平均の実際の損失(同上)
- 損益分岐勝率(キャッシュバックなし)= Ln ÷(Wn + Ln)
- 損益分岐勝率(キャッシュバック込み)=(Ln − 1回あたりのキャッシュバック)÷(Wn + Ln)
例1の数字なら、Wn = 184、Ln = 216、1回あたりのキャッシュバック = 6 なので、(216 − 6)÷ 400 = 52.5% となり、上の計算と一致します。スプレッドを二重に引かないように注意しましょう。
取引量がばらばらなら、pipsではなく金額で
取引ごとにロット数が違う場合、pipsで平均を出すと、大きなロットの取引の影響が正しく反映されません。金額(ドル)で平均を出すか、ロット数を揃えた期間で計算してください。取引量の合計の出し方はMT4/MT5の取引履歴でロット数を合計する方法で解説しています。
ある程度の取引回数で計算する
数十回程度の取引では、勝率は偶然に大きく左右されます。計算結果は「これまでの取引の傾向」として扱い、将来の成績の保証とは考えないでください。
見落としやすいコスト
- スリッページ:不利な約定のずれも実質コストに入ります。詳しくはスリッページの仕組みと取引コストの計算方法
- スワップ:日をまたぐ取引では、マイナスのスワップもコストです。計算方法はスワップポイントの計算方法
- 口座タイプの違い:スプレッド型と手数料型では1回のコストの内訳が違います。比べ方はスタンダード口座とECN口座の損益分岐で解説しています
損益分岐勝率を取引の見直しに使う
- 狙う値幅とコストの比を見る:1回のコストが損切り幅の何%にあたるかを計算すると、コストの重さがわかります。例1では16 ÷ 200 = 8%、例3では16 ÷ 50 = 32%です
- 取引量の決め方と組み合わせる:損益分岐勝率は取引量に左右されないため、取引量は許容損失から別に決めます。手順は許容損失からFXのロット数を計算する方法
- コストを下げる方法を比べる:スプレッドの狭い時間帯を選ぶ、口座タイプを見直す、キャッシュバックを受け取る、といった方法で実質コストを下げると、損益分岐勝率も下がります。コストの全体像はFXの取引コスト(スプレッド・手数料)の計算方法で確認できます
CB-Dogsのキャッシュバックについて
- キャッシュバックは、決済済みの取引量(ロット数)をもとに計算され、ブローカーからCB-Dogsに報酬が支払われたあとで残高に反映されます。ブローカーが報酬を保留・取り消した場合、対応するキャッシュバックも遅れたり取り消されたりします
- 反映後、ブローカーごとの確認期間(XMは反映から7日)を過ぎると出金できます。XMの場合、取引から出金可能になるまでの目安はおよそ3〜4週間です(保証ではなく目安です)
- 支払いはUSDT(TRC20)のみ。最低出金額は10 USDTで、1回の出金が50 USDT未満なら3 USDTの手数料、50 USDT以上なら無料です
1回あたりの実質コストを計算するときは、口座タイプごとの最新の還元率を次の表で確認してください。
| 口座タイプ | 還元額 / ロット (USDT) |
|---|---|
| スタンダード手数料無料のスプレッド型口座です。 | 9.0 |
| マイクロ還元額は、マイクロロット10万通貨相当あたりで計算されます(スタンダードと同じロット単価を、マイクロロットの単位に換算したものです)。 | 9.0 |
| ウルトラローよりタイトなスプレッドの、手数料無料口座です。 | 3.0 |
| KIWAMI極一部地域で提供される、スプレッドをさらに抑えた口座タイプです。 | 6.0 |
| ゼロ手数料型口座です。還元額はスプレッドとは別に上乗せでお支払いするもので、お客様が支払う取引手数料には影響しません。 | 4.5 |
暫定レート
よくある質問
取引コストを含める場合は、(平均損失 + 1回の実質コスト)÷(平均利益 + 平均損失)で計算します。平均利益・平均損失はコストを引く前の値幅を金額にしたもので、実質コストはスプレッド + 手数料 − キャッシュバックです。コストを考えない場合は 1 ÷(1 + リスクリワード比)です。
まとめ
取引コストを含めた損益分岐勝率は、(平均損失 + 1回の実質コスト)÷(平均利益 + 平均損失)で計算できます。コストは分子にそのまま加わるため、利益幅が小さい取引ほど損益分岐勝率は大きく上がります。キャッシュバックは実質コストを下げ、損益分岐勝率を少し下げますが、勝率そのものを上げるものではありません。月々の取引量から戻ってくる額はキャッシュバック計算機で試算できます。ご利用の条件は対象となる方・対象外の国で確認できます。
リスク警告: FX・CFD 取引には元本を失う高いリスクがあります。キャッシュバックは取引損失を補うものではありません。本記事は投資助言ではありません。