通貨ペアの相関とヘッジのコスト|相関の強いペアを組み合わせるときの取引コストの計算
相関の強い通貨ペアを同じ方向に持つと分散ではなくリスクの集中になり、コストも2倍かかります。逆相関のペアでヘッジすると値動きは一部相殺されますが、2ペア分のスプレッドとスワップを払い続け、相関は変化するため完全には打ち消せません。ヘッジのコストは保有日数とともに増えます。
CB-Dogs編集部約7分で読めます
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目次
通貨ペアの中には、似た動きをしやすい組み合わせと、逆の動きをしやすい組み合わせがあります。この性質を「相関」といいます。相関を知らずに複数のペアを持つと、分散したつもりが同じ賭けを2回していたり、ヘッジしたつもりがコストだけを払い続けていたりします。
この記事では、相関係数の読み方と、相関の強いペアを組み合わせたときのリスクと取引コストを、計算例で確かめます。数値はすべて説明用の仮の数値です。
この記事のポイント
- 相関係数は−1〜+1で表し、+1に近いほど同じ方向、−1に近いほど逆方向に動きやすいことを示します
- 正の相関が強いペアを同じ方向に持つと、分散ではなくリスクの集中になり、コストも2ペア分かかります
- 逆相関のペアでのヘッジは、2ペア分のスプレッドとスワップを払い続けるため、保有日数とともにコストが増えます
- 相関は時期によって変わり、1pipの価値もペアで違うため、値動きを完全に打ち消すことはできません
- キャッシュバックの獲得を目的にしたリスクのほとんどない取引は、規約で対象外になる場合があります
結論:相関ペアの組み合わせは「コスト2倍・リスクは思ったほど減らない」
相関の強いペアを組み合わせるときに押さえておきたいのは、次の2点です。
- 同じ方向に動きやすいペアを同じ方向に持つ:値動きのリスクはほぼ2倍になり、取引コストも2ペア分かかります。分散にはなりません
- 逆方向に動きやすいペアで打ち消し合う(ヘッジ):値動きは一部相殺されますが、2ペア分のスプレッドとスワップを払い続けます。相関は変化するので、打ち消し切れない分のリスクも残ります
どちらの場合も、取引コストは持っているペアの数とロット数に比例してかかります。相関によって値動きのリスクは変わっても、コストは減りません。
相関係数の読み方
相関係数は、2つの通貨ペアの値動き(日々の変化率など)がどの程度そろっているかを、−1から+1の数字で表したものです。
| 相関係数 | 意味 |
|---|---|
| +1に近い(例:+0.8以上) | 同じ方向に動きやすい(正の相関) |
| 0前後 | 動きにあまり関係がない |
| −1に近い(例:−0.8以下) | 逆の方向に動きやすい(負の相関・逆相関) |
一般的な傾向として、次のような組み合わせがよく例に挙げられます。
- EUR/USD と GBP/USD:どちらも米ドルが決済通貨(右側)で、ユーロとポンドが似た動きをしやすいため、正の相関になりやすい
- EUR/USD と USD/CHF:米ドルの位置が左右逆のため、米ドルが強くなると一方は下がり一方は上がる。逆相関になりやすい
ただし、相関は固定された性質ではありません。金融政策の違いや大きなニュースで、ふだん強い相関のあるペアでも一時的に関係が崩れることがあります。相関を使う場合は、直近の期間(たとえば過去3か月や1年)で計算し直す習慣をつけましょう。表計算ソフトなら、2つのペアの日々の変化率を並べて相関を求める関数で計算できます。
正の相関:同じ方向に持つと「同じ賭けを2回」
EUR/USD と GBP/USD を同時に買うと、2つの取引をしているように見えますが、実際には「米ドルが弱くなる」という同じ見通しに2回賭けているのに近い状態です。米ドルが強くなれば、両方で同時に損失が出ます。
取引コストも2ペア分です。次の数値は説明用の仮の数値です(米ドル口座)。
- EUR/USD 1ロット、スプレッド1.2pips:1.2 × 10ドル = 12ドル
- GBP/USD 1ロット、スプレッド1.6pips:1.6 × 10ドル = 16ドル
- 合計:28ドル
リスクを分散したいなら、相関の弱いペアを選ぶか、1ペアあたりのロットを減らして合計のリスクを当初の想定内に収めます。1回の許容損失は、ペアごとではなく相関の強いペアをまとめて1つの取引として考えると安全です。許容損失からのロット計算はFXのロット計算と許容損失で解説しています。
逆相関のヘッジにかかるコスト
EUR/USD の買いを持ったまま、値下がりに備えて USD/CHF も買う、というように、逆相関のペアで値動きを打ち消し合う方法があります。この「相関ペアでのヘッジ」にかかるコストを計算してみます。数値はすべて説明用の仮の数値です。
スプレッド(新規と決済で1回分ずつ)
- EUR/USD 1ロット、スプレッド1.2pips:1.2 × 10ドル = 12ドル
- USD/CHF 1ロット、スプレッド1.6pips:USD/CHF の1pipの価値は10スイスフラン。1ドル = 0.90スイスフランなら 10 ÷ 0.90 ≈ 11.11ドル。1.6 × 11.11 ≈ 17.78ドル
- 合計:約29.78ドル(EUR/USD だけなら12ドル)
スワップ(保有する日数だけかかる)
- EUR/USD 買い:1日 −6.5ドル(仮)
- USD/CHF 買い:1日 +1.5ドル(仮)
- 差し引き:1日 −5.0ドル → 10日で −50ドル
10日間ヘッジしたときのコストは、スプレッドとスワップを合わせて約 29.78 + 50 = 約79.78ドルです。この例では USD/CHF 側のスワップがプラスでも、EUR/USD 側のマイナス(10日で −65ドル)のほうが大きいため、合計ではマイナスになっています。片方のスワップだけを見て「受け取れるから得」と判断せず、2ペアを持っている限り、両方のスワップを毎日足し合わせて見ることが大切です。両方ともマイナスになる組み合わせもあります。スワップの計算方法はスワップポイントの計算、スワップが金利差で決まる理由は金利差とスワップの関係をご覧ください。
ロット比は「1pipの価値」で合わせる
EUR/USD と USD/CHF を同じ1ロットずつ持っても、1pipの価値が 10ドル と 約11.11ドル で違うため、値動きの打ち消し方がそろいません。1pipの価値をそろえるなら、USD/CHF のロットは 10 ÷ 11.11 ≈ 0.9ロットになります(仮のレート)。レートが動けばこの比率も変わります。
ヘッジしても値動きは打ち消し切れない
相関係数が −0.9 でも、「値動きの90%が打ち消される」という意味ではありません。たとえば、ある週に次のように動いたとします(仮の数値)。
- EUR/USD 買い 1ロット:−50pips → 50 × 10ドル = −500ドル
- USD/CHF 買い 1ロット:+40pips → 40 × 11.11 ≈ +444ドル
- 差し引き:約 −56ドル、さらにスプレッドとスワップのコストがかかる
両方の通貨ペアに共通する米ドルの動き以外に、ユーロとスイスフランそれぞれの事情でも価格は動きます。その分は打ち消されずに残ります。相関が一時的に崩れた場面では、両方で損失が出ることもあります。

ヘッジを考える前に確認したいこと
- 本当にヘッジが必要か:ポジションを減らす・決済するほうが、コストがかからず確実な場合が多い
- 保有日数:ヘッジのコストはスワップの分だけ日数に比例して増える
- 相関の直近の値:過去の相関が今も続いているとは限らない
- 証拠金:2ペア分の必要証拠金がかかる(同一ペアの両建てと違い、証拠金が相殺されないブローカーが多い)。証拠金の計算は証拠金維持率とロスカットの計算をご覧ください
キャッシュバックとの関係
キャッシュバックは取引量(ロット数)に応じて計算されるため、2ペアを持てばその分の取引量も対象になり得ます。ただし、キャッシュバックの獲得を主な目的とした、リスクのほとんどない取引は、CB-Dogsの利用規約でリベート構造の悪用として対象外になる場合があります。ブローカー側でも、同様の取引を規約違反として扱うことがあります。相関ペアで値動きを打ち消し合う取引は、同一ペアの両建てと同じように見られる可能性がある点に注意してください。考え方は両建てとキャッシュバックの関係で詳しく解説しています。
また、キャッシュバックで戻るのはコストの一部です。仮に1ロットあたり4ドル相当のキャッシュバックがあるとしても(CB-Dogsの実際の率ではない仮の数値)、上の例のヘッジコスト約79.78ドルに対しては、2ペア分で8ドル程度にとどまります。ヘッジのコストをキャッシュバックで埋める、という考え方は成り立ちません。
CB-Dogsのキャッシュバックは、ブローカーからCB-Dogsに報酬が支払われたあとで残高に反映され、確認期間(XMは反映から7日)を過ぎるとUSDT(TRC20)で出金できます。XMの場合、取引から出金可能になるまでの目安はおよそ3〜4週間です(保証ではなく目安です)。出金は最低10 USDTから、1回の出金が50 USDT未満なら3 USDTの手数料、50 USDT以上なら無料です。
口座タイプごとの最新の還元率は次の表で確認できます。ご自分の取引量での受取額はキャッシュバック計算機で試算できます。
| 口座タイプ | 還元額 / ロット (USDT) |
|---|---|
| スタンダード手数料無料のスプレッド型口座です。 | 9.0 |
| マイクロ還元額は、マイクロロット10万通貨相当あたりで計算されます(スタンダードと同じロット単価を、マイクロロットの単位に換算したものです)。 | 9.0 |
| ウルトラローよりタイトなスプレッドの、手数料無料口座です。 | 3.0 |
| KIWAMI極一部地域で提供される、スプレッドをさらに抑えた口座タイプです。 | 6.0 |
| ゼロ手数料型口座です。還元額はスプレッドとは別に上乗せでお支払いするもので、お客様が支払う取引手数料には影響しません。 | 4.5 |
暫定レート
よくある質問
正の相関が強いペアを同じ方向に持つ場合は、分散ではなくリスクの集中になります。米ドルの動きのように共通の要因で同時に損失が出やすく、取引コストもペアの数だけかかります。
まとめ
相関の強い通貨ペアを同じ方向に持つとリスクが集中し、逆相関のペアでヘッジすると値動きは一部打ち消されますが、どちらの場合も取引コストはペアの数とロット数に比例してかかります。ヘッジは2ペア分のスプレッドに加え、保有日数分のスワップを払い続ける方法で、相関の変化や1pipの価値の違いから値動きを完全には打ち消せません。組み合わせを考えるときは、相関を直近の期間で確かめ、コストを両方のペアの合計で見積もりましょう。ご利用の条件は対象となる方・対象外の国で確認できます。
リスク警告: FX・CFD 取引には元本を失う高いリスクがあります。キャッシュバックは取引損失を補うものではありません。本記事は投資助言ではありません。
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